ナイジェリア館
ナイジェリア連邦共和国
未来を見つめるナイジェリア
回教徒の城を思わせる、清潔で力強い展示館であった。南北の長さ 22メートル80、東西の最大幅15メートルで、平面的には東西両側にノコギリの歯の先端を切り落としたような突出部が四つずつ配され、外壁は白っぼい巨大な岩石をくっつけたような形になっていた。
構造は鉄骨の平屋建て、インターナショナル・プレース 1―B の敷地は、ナイジェリア館 1 館だけで、敷地の西北隅に建てられていた。床はコンクリート、屋根はブルースターボードの下地で、それをカラー鉄板でふいてあった。
西側の南から 2 番目の突出部に入口があり、観客は S字形に誘導され、東側の北から 2 番目の突出部が出口であった。館内は、入ってすぐ右側に案内カウンター、その裏手に事務室兼ⅤIP 室、西側の北から 2 番目の突出部に倉庫、中央北寄りに円形の事務室があった。
展示は「国情紹介」「民族衣装」「林業」「民芸品」「農業」「工業」「観光」「鉱業」「留易」の 9 部門に分かれ、産業、文化、社会の発展と取り組むナイジェリアの実情が紹介された。
最初の「国情紹介」の所には、12 州の行政区分や産業などの国勢を示す電動式地図があり、ナイジェリアの近代都市や産業、文化を紹介する写真パネルも展示されていた。また、壁面にこの国の指導者ゴウォン将軍の肖像画が掲げられていた。
次の「民族衣装」では、アフリカの地図をバックに、マネキン人形を使って、民族衣装が披露された。
「林業」では、木製の家具や建材、飾板の展示物とパネルで、豊富な木材資源が説明された。
「民芸品」では、ゾウゲ細工、木彫品、コクタンの人形彫刻、楽器、ダチョウの羽(径30センチメートル)で作った扇子、ヒョウやへビの皮などの珍しい展示品が並んでいた。
「農業」では、ひな壇になったショーケースの中に、ココア、大豆、ピーナツ、綿、コプラ、コーヒーなど 39種にのぼる農産物のサンプルが展示され、スクリーンでは観光、風俗などがスライドで紹介された。
「工業」では、カン詰めやビン詰めの食品類、酒類、トカゲの皮などのハンドバッグ、くつなどが展示された。
「観光」では、自然に恵まれたナイジェリアの観光地、近代都市などがカラーコルトンで紹介され、ザル、はきものなどの日用品も人目をひいた。
「鉱業」では、原油、スズ鉱石、鉄鉱石、鉛、亜鉛、ジルコン、トリウムなどの鉱物サンプルが並べられ、さらに写真パネルで、石油を中心とするこの国の鉱物資源の開発状況が説明された。
最後の「貿易」では、貿易高棒グラフ、貿易品別の円グラフによって、ナイジェリアの貿易がひと目でわかるようになっていた。