RCD館
トルコ共和国・パキスタン回教共和国・イラン帝国
幅16メートルの道路で対角線状に分断されていた敷地を活用して、道路を展示館の広場のように組込み、三つの建物が建てられていました。道路の北側には最大の建物があり、そこにはRCD展示ホール、3ヵ国の三つの展示ホール、映写室、レセプション・ホールなどがありました。道路の南側には二つの建物があって、レストランとコーヒーショップ(地上2階、地下1階)になっている建物と、2階まで吹抜けになっている、RCD美術展示ホールの建物がありました。 構造の特徴は壁が内外面ともコンクリート打放しで、仮設的な建物の多かった会場の中で、重厚な空間をつくり出していました。壁は厚さ40センチメートルのボイドウォールで、その中心部に直径20センチメートルの鉄板製のパイプを垂直に、等間隔に配置し、パイプ内を空洞にして構成材の軽量化を図ったものでした。 最も大きな建物のやや西寄りに入口があり、入った所は吹抜けの展示ホールになっていました。この建物の左端はレセプション・ホールで、右端は吹抜けの映写ホールでした。この左右のホールにはさまれて北に突き出た三つのスペースは、左からイラン、パキスタン、トルコの展示場になっていました。入口の右手には案内所と売店があり、レセプション・ホールの外には池がありました。
3ヵ国共通の展示部門と各国別の展示部門に分かれていました。共通展示部門はRCD展示ホール、映写ホール、RCD美術展示ホールの3ヵ所でした。 RCD展示ホールは2階まで吹抜けで、ホール中央と西、南の壁面に、RCD設立会議の模様、組織、政治家などが写真パネルなどで紹介され、長い歴史を通じて多くの面で類似する3ヵ国が互いに協力して文化、経済、技術などの向上に努力していることが強調されていました。 映写ホールも吹抜けで、客席は125席。6台のスライド用プロジェクターと16ミリ映写機1台を備え、3ヵ国の国情やめざましい開発ぶりが、7面のスクリーンに映し出されていました。また、RCD美術展示ホールでは、定期的に展示内容を変え、3ヵ国の伝統美術品、現代の絵画、彫刻、工芸品などを展示していました。