アメリカン・パーク
アン・パーク・コーポレーション
アメリカの映像
13 の建物と二つの広場からできた合同展示館であった。日本万国博へ出展する目的でニューヨークに設立されたアン・パーク・コーポレーションの呼びかけに応じた⑴アラスカ州⑵ロスアンゼルス市(以上自治体)⑶アメリカン・エクスプレス⑷コカコーラ⑸サンキスト⑹マイルズ・ラボラトリーズ⑺パン・アメリカン⑻エンサイクロペディア・ブリタニカ(以上民間企業)⑼アメリカ商務省観光局(政府)が共同してつくりあげた展示館で、期間中、同コーポレーションがアメリカン・パークの運営管理にあたった。
建物は⑴自治体、政府の展示⑵民間企業の展示⑶食堂・スナックバー⑷ステージ―の 4 セクションに分かれ、セントラル・プラザを囲むように配置された。主な建物は、軒高 7メートル20から7メートル80 の建物が 4 棟、6メートル80 が 1 棟、3メートル60 が 4 棟、3メートル20 が 2 棟で、ほとんどが鉄骨造だったが、USTS(アメリカ商務省観光局)の米国観光館だけは、外壁に世界地図を描き、地球儀を摸した直径 24メートル、半球形のエアドームであった。また、ロスアンゼルス市館の西隣には、中央に円形ステージ、西寄りに売店カウンター、3 面のスクリーンを持つ、ほぼ正方形のユース・センターと呼ばれる建物があった。
それぞれの出展参加者が趣向をこらし、アメリカの産業、文化のエネルギッシュな姿を説明した。食堂ではアメリカの料理が楽しめた。
自治体、政府の展示区域には、米国観光舘、アラスカ州館、ロスアンゼルス市館などが並んでいた。米国観光館では、マルチスクリーンにアメリカの美しい自然などの映画を上映し、観客はすわったままで“アメリカ旅行”ができた。
民間企業の展示区域では、五つの企業が展示を競った。エンサイクロペディア・ブリタニカ館では、大英百科事典の初版本から、アメリカの企業に変わったあとの同事典までの歩みが展示されたほか、近代、現代の著名なアメリカ人画家の作品を集めた美術展示もあった。マイルズ・ラボラトリーズ館は、アポロ宇宙計画を助ける企業
として、宇宙展示が中心。またサンキスト館は、いかにもアメリカの小ぎれいな売店といったムードで、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、生ジュースを売っていたほか、売店の北側の部屋では「オレンジと女性」などのスライドを床面に映していた。
パン・アメリカン館の呼びものは「翼よ、あれがパリの灯だ」でおなじみのチャールズ・リンドバーグ飛行士の水上飛行機「シリウス号」の展示であった。
コカコーラ館では「ヘア」などの近代音楽を流し、壁面にはアメリカを紹介する写真パネルを貼っていた。フローズン・コカコーラが好評だった。また西側の売店ではフライド・チキンが販売され、スナック形式の店構えとアメリカらしい味が好評だった。
アン・パーク・コーポレーション直営の「アメリカン・レストラン」(300 席)では、ビーフシチュー、ハンバーグステーキ、ビーフステーキなどが提供された。