ブリティッシュ・コロンビア州館
ブリティッシュ・コロンビア州(カナダ)
美(うる)わしいブリティッシュ・コロンビアの人と生活
樹齢 270 年、最高 50メートル余のカナダ特産のモミの原木を並べた異色の建造物で、“モミの木の彫刻”と呼ばれた。
展示館は、三つの部分によって構成された。下に劇場を納めたモミの大木部分、地下展示室、池や滝のある岩山と二つの広場、がそれであった。
会場の名物になったモミの原木は、長方形に 80 本を立てて並べ、地下劇場の外壁とし、その先端は東北から西南にかけて急角度で上昇する弧線を描いていた。西南端に並んだ 6 本の原木は高さ 50メートル、太い部分の直径 1メートル40、重さ約 30トンもある大きなものであった。原木に囲まれた部分は劇場の屋根になり、劇場の天井は、最高24メートルからだんだん低くなる曲線を描いた鉄筋コンクリートで固め、その上に原木 220 本が、外壁になった原木の弧線に沿った高さで並べられていた。
ブリティッシュ・コロンビア州の自然、社会、文化、産業が、四つの展示室の展示品と、劇場で上映された映画によって紹介された。
まず、入口のロビーから劇場入口までには、州の歴史をオブジェ風な金属彫刻で説明した「タイム・ベルト」があった。劇場では、トーテムポールがデザインされた円柱が観客を迎えた。大スクリーンには、大自然を背景に展開されるこの州の生活状況を中心に、人跡未踏の自然や近代文化、日本との協力関係などを紹介する映画が映し出された。
続く第 1 室の「陸の上の世界」の展示では、木こり、鉱夫、航海士などのプラスチック人形と、絵画やカラーコルトンで、この州の工業、農業、娯楽などあらゆる分野の活動が紹介された。
第 2 室は「水の中の世界」の展示で、天井にガラス張りの窓があり、この窓を通して地上にある滝の流れを観賞できるようになっていた。また、壁と天井には水をたたえた透明で無数のアクリル製ボールを取り付け、特殊照明によって水玉を表現し、床は水に浮かぶ“いかだ”になっているなど、文字通り“水の中の世界”であった。
第 3 室の「土の中の世界」の展示では、銅やニッケルなどの鉱物類が展示され、天井、壁、床にセットされたマジック・ミラーや、六つの回転映写スクリーンを使って、土の中にもぐったような感じがサイケ調で演出された。
第 4 室は「雲の上の世界」の展示で、スライド・ショーによって、奇想天外な演出による若者の青春がロック調の強烈なバック・ミュージックの中で映し出された。
このほか、地上の庭園にはトナカイ 3 頭のはく製が展示してあった。
庭園の横にあった「フード・バー」では、ホットドッグやジュースなどが販売されていた。