中央アフリカ館
中央アフリカ共和国
経済―観光―民芸
中央アフリカの主要輸出品であるダイヤモンドをデザイン化した白い屋根の展示館で、鋭角の力強い屋根は、豊かな資源によって発展する“若い国”の意欲を表現したものであった。内部は、外部と違って単一の正方形の展示場になっていた。
西側には三角形の出入口があって、国旗をデザインしたテントが張られ、入口のひさしに「REPUBLIQUECENTRAFRICAINE」の文字が大書してあった。館内は全部展示場に使われ、案内カウンターと、中心にアフリカ大陸を型どった展示コーナーがあり、入口を除いた3 壁面も展示に使われた。観客は指定順路に従って観覧した。
構造は鉄筋コンクリートの基礎工事をした鉄骨造、平屋建てで、ほとんど鉄材を使用した建物だったため、断熱には特に注意が払われていた。
中央アフリカの経済、観光、民芸などの実物が展示の中心で、中央アフリカの豊かな資源が紹介された。
まず、入口付近の壁面に木製モザイクの大きな中央アフリカ地図を掲げ、地形を説明するとともに、6 個のボタンを押すと地図の上に色別のランプが点滅し、産物を紹介する仕組みになっていた。
展示場には各種の産物や民芸品の展示コーナーが並び、最初に麻、綿、たばこ、コーヒー、ピーナツ、薬草などの農産物が陳列されていた。続いて、木材とダイヤモンド、ウラニウムなどの鉱物が展示されていた。
「民芸品」のコーナーでは、様々な陶器や人形をはじめ、コクタンやゾウゲの細工物が陳列された。この中で、コクタンやゾウゲで作られたスタンドなどの実用品、コクタンで彫った「踊り子」や「壁掛け面」、ゾウゲ製の「シカ」、角製の「鳥」などの珍しい工芸品が、観客の関心をひいた。
左手奥の「織物」のコーナーでは、アフリカ独特の模様を染め抜いた綿布や麻布が、日本の反物のように展示され、鮮やかな色彩が展示室を彩っていた。「写真」のコーナーでは、首都バンギの中心街や中央アフリカの伝統的な葬式の踊りや、ピグミー族の女性の風俗習慣、またサバンナのシカなどのほか、経済、社会のすばらしい発展ぶりが美しいカラー写真で紹介された。
最後の展示コーナーには、美しいヒョウの皮が飾られていた。ホール中央にはアフリカ大陸の形をロープで囲った展示場があり、大トカゲ、イグアナのなめし皮をはじめ、動物の毛皮で作られたハンドバッグ類などを並べ、これらのいかにもアフリカの国らしい珍しい展示品が観客の足をとめた。