万博記念公園

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キプロス館

参加者

キプロス共和国

テーマ

人類の進歩と調和

建物

外壁に「キプロス」の大きな展示館標識文字を掲げた展示館は、周囲の壁面をハーフミラーガラスで覆い、明るく造られていて、昼間は室内から外部が、夜間は外部から展示館内が見通せるようになっていた。
構造は鉄骨造、スチールサッシにハーフミラーガラスを張りめぐらし、露出した鉄骨部分は赤ペイント塗り仕上げになっていた。
床はモルタル下地にエポキシ樹脂で、白と赤のしまに塗り分けられ、天井はキーストン・プレートでオイルペイント塗り、屋根はシンダーコンクリート下地に防水シート張りであった。
建物の北側中央部に出入口があり、館内は全体が展示場に使われ、ショーケースと展示台が備えられていた。中央部に案内カウンターが配置され、観客はここで説明を受けたり、自由にコースを選んで観覧できた。
また、館内は全体に明るい色彩が塗られ、緑の森と、青い海、明るい太陽に包まれたキプロスのイメージが表現されていた。

キプロス館

展示

産業、文化、社会を中心にした、先史時代から現代までのキプロスの発展の過程が、展示物と写真パネルによって紹介され、“文化の交差点”といわれるほど歴史的にも地理的にも重要な役割を果たしてきたキプロスを、強く印象づけた。
展示は「産業」と「文化」に大別され、「産業」のコーナーでは、黄鉄鉱や緑土、クローム鉱などの鉱産物のサンプルや、カンキツ類、ニンジン、オリーブなどの農産物、同加工品などと農村風景が、写真パネルによって紹介されていた。
「文化」のコーナーには、ギリシア文明を伝える青銅器時代の貴重な文化財 10 数点が展示されたが、これはキプロス館の中心的な展示であった。
文化財展示の中心になっていたのは陶器類で、過去の英雄たちの似顔絵や複製絵画とともに展示された。最も古いものは、紀元前 2000 年ごろのものといわれる白塗り陶製大コップで、高さ約 15 センチメートル、不規則な線状模様がついていた。
このほか、ショーケースには高さ約 20 センチメートル、石灰岩製の若者の頭部(紀元前 6世紀から7 世紀)、高さ約 15 センチメートルのバザリング陶器牛角酒杯(同1400 年)、テラコッタ騎馬像(同 6世紀から7 世紀)、テラコッタひげの男像(同 6世紀から7 世紀)などが展示されていた。「騎馬像」と「男像」は、どちらも細身の像で、「男像」は高さ約 25 センチメートル、長いひげをたらした男が前に手を組んだ珍しいものであった。前期青銅器時代のつぼの中には、大きい口のまわりに六つの小さい口のある珍しいものもあった。
このコーナーではこのほか、7 世紀ごろの建築といわれるパナイア・アンジェロクティスティ教会の窓のモザイク画「聖母マリアとキリスト」が出展され、保存の素晴らしさが話題を呼んだ。

「文化」コーナー 展示

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