ドミニカ館
ドミニカ共和国
コロンブスが発見した島
箱形の展示館で、外壁はスチール・サッシにハーフミラーガラス張り、鉄骨造の露出部分には赤ペイントが塗られた“ガラスのやかた”であった。夜は内部の照明がはえて展示館全体が美しく輝いて見えた。
建物は 6 メートル 70 に 6 メートルのやや長方形で、東南部に出入口があり、ガラスに「ドミニカ」の展示館標識文字と国旗が掲げられていた。
内部は左回りの観覧巡路が指定され、全体が展示場になっていて、ショーケースなどの展示施設が設けられ、西南隅みにはインフォメーション・カウンターが置かれていた。
床はモルタル下地にペイント塗り、天井はキーストン・プレートにオイルペイント塗りであった。屋根はシンダーコンクリート下地に防水シートが張られ、平屋建てになっていた。
ドミニカの産業、文化、社会などを実物や写真パネルで展示し、コロンブスが発見した“新天地”としてのドミニカを紹介していた。
まず、入口の右手にカラー写真パネルが並べられ、コロンブスを記念して建てられた白亜の先塔のある大聖堂をはじめ、日本人移住者の墓地、独立公園、首都サントドミンゴの新しい町づくりなどを中心に、ドミニカの美しい風景が紹介された。入口の左側は「衣料品」のコーナーで、原色あざやかなプリント地のスカートなどの衣料品が女性の足をとめていた。
続く「民芸品」のコーナーはショーケースになっていて、ベッコウやツノで作られたクシ、髪飾り、ネックレス、ブローチなどの女性用装身具類をはじめ、木製、アルミニウム製のさまざまな日用品が陳列されていた。日用品の中には、とくに日本と様式の違う珍しい湯沸かしや鍋などがあった。また、各種の通貨が並べられ、コインマニアたちの関心を集めていた。
マットレス、繊維製品の展示コーナーを回ると、農業、鉱業を中心とするドミニカの産物を紹介した「産業」のコーナーで、いわば産業博物館のミニチュアといった展示であった。
農・工業品では砂糖、たばこ、ココア、コーヒー、菓子、ビールなどのサンプルが並べられていた。なかでも、ドミニカの産物を代表する砂糖の展示に力が入れられ、まっ黒な原糖からまっ白な精製糖に仕上げられるまでの工程を示す 11 のサンプルが並べられ、ドミニカ糖の製造過程が説明されていた。
鉱業品では、黄金色に輝く銅鉱石など、ドミニカで産出する鉱物資源のサンプルを展示していた。このほか、気候と風光美に恵まれた海岸地帯や平原などの観光地を写真パネルで紹介していた。館内には民族音楽が流され、展示効果を高めていた。