モーリシャス館
モーリシャス
調和と挑戦
透明なハーフミラーガラスを外壁にした開放的な 6 メートル×6メートル70 の箱型の展示館であった。南側に出入口があり、その上部とすぐ西側には、白いプレート板に「モーリシャス」「MAURITIUS」と日英両国語で書いた展示館標識が掲げてあった。
構造は鉄骨造で、露出した鉄骨部分は赤ペイント塗りになっていた。床面はモルタル下地にエポキシ樹脂で白と赤のしま模様に塗り分けられ、屋根はシンダーコンクリート下地に防水張りであった。
建物全体が展示場に使われ、展示は内部の壁ぎわに沿って配置されていた。また中央には、切手などの販売店を兼ねた案内カウンターがあった。観覧は指定コースがなく、自由巡覧であった。
特産品などの展示物と写真パネルで、観光、文化、産業を中心に展示し,西インド洋に浮かぶ“夢の島”モーリシャスを紹介した。
展示の呼びものは、観光紹介と美しい貝ガラの展示であった。「休日の楽園」のタイトルがつけられた観光紹介コーナーでは、青い海に浮かぶ無数のヨットや、南欧風の白亜の別荘で休日を楽しむ人々やサンゴ礁などのカラー写真が展示され、海と緑と太陽に恵まれた“パラダイスの島”モーリシャスの、美しい観光地の風景が紹介された。また帆船のモデルも展示されていた。
「礁湖の宝玉」のタイトルを掲げた貝ガラ展示コーナーには、巻貝や 2 枚貝、ハデな角を出したものなど多種類の貝ガラが陳列された。なかには世界で 2 番目に大きいという長さ約 50 センチメートルのホラ貝や、雨がさをすぼめたような形の「毒貝」もあった。小さいものでは直径 2 センチメートルぐらいの白やピンクに光り輝く、宝石のように見事な貝もあり、観客の目をひいた。
このほか、歴史、芸術、風俗、工業、農業、工芸品、切手・コイン、公共施設の展示コーナーがあった。「歴史」の展示では、各種の古文書や古い地図を並べ、ポルトガル、オランダ、フランス、英国の統治時代から独立までのモーリシャスの各時代の歴史が説明された。
「風俗」展示では、住民の生活を中心に、海岸でたわむれるビキニ姿の美女、住民各種族の顔が写真パネルで紹介され、入口近くには“風俗人形”も展示されていた。「工業」「農業」など産業のコーナーでは、工業開発に関する各種文献と、化粧品、たばこ、コーヒー、砂糖などの産物が紹介された。
「工芸品」では貝ガラ、サンゴの装飾品をはじめ、動物の角や木で作った民芸品、金銀製の装身具が展示されたほか、レッドテール・バードのはく製 1 体なども飾られていた。