万博記念公園

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ニカラグァ館

参加者

ニカラグァ共和国

テーマ

発展するニカラグァ

建物

 外壁がハーフミラーガラス張りの明るい展示館であった。鉄骨造の平屋建て、露出部分の鉄骨に赤ペイントが塗られた東西に長い長方形の建物で、南面の東と西には、幅 1メートル85 の出入口があった。出入口のある南面と北面の中間は、幅約 3メートル50 にわたり軒先から土台部分までニカラグァの国旗の色である青色のプレートで覆われ、そのまん中に国章と「NICARAGUA」の館名標識が出ていた。
 床は、モルタル下地にエポキシ樹脂で白と赤のしま模様に塗り分けられ、天井はキーストン・プレートのオイル・ペイント塗り、屋根はシンダーコンクリート下地に防水シート張りであった。
 建物全体が展示室になっており、びょうぶのような折れ曲がった展示用ついたてで仕切られ、南北のフロアに大別されていた。

ニカラグァ館

展示

 民芸品や土器をはじめ、鉱石などの産物を紹介する実物展示と、観光、社会、歴史、地理、産業などを紹介する写真展示とがあり、これらの展示を通じて、多様化する産業社会へと歩んでいるこの国の実情が説明された。
 展示物では、まず石の偶像 1 体と、はにわに似た土偶3体が人目をひいた。これらは古代文化を築いたインディアンの遺産で、石の偶像は高さ 1メートル20、両手を合わせた祈りのポーズをとっていた。土偶は 3 体とも赤色で彩色されていた。ほかに特に観客の興味をひいたのは、複雑な線模様が描かれている自然石の 6 枚の組写真で、この線模様は今でも(博覧会開催当時)解読されていない不思議な古代文字とみられている。
 また“怪魚”ガスパールやイグアナと呼ばれる大トカゲのはく製が陳列されていた。ガスパールは、体長約 1メートルの淡水魚で、鋭い歯とまっ赤な舌を持ち、ウロコがさか立ち、背ビレが退化している珍魚である。一見ワニのようないかつい形をしているが「見かけによらず、味は満点」と説明されていた。イグアナは古代の恐竜を小さくしたような動物で、ガスパールとともに怪獣好きの子どもたちを喜ばせた。
 このほか、インディアンの手工芸品やアンチモンなどの鉱石、硬質木材、綿、切手、紙幣などがショーケースに入れて展示していた。
 写真展示は「工業」「政治」「民族」「歴史、観光」「地理」「動、植物」の 6 項目に分けられて、この国が生んだ大詩人ルーベン・ダリオの肖像やレオン大聖堂の内外部、ニカラグァ運河計画、淡水に住むサメ、コーヒー園、港の積荷風景などのカラー写真があった。
 また東南のコーナーには切手、絵はがきなどの販売スタンド兼コイン展示スタンドも設けられていた。

ニカラグァ館

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