パナマ館
パナマ共和国
人類に貢献するパナマ
東西に長い変形六角形の平屋建てで、長辺14メートル40、短辺 7メートル20、内角 120 度と 60 度の平行四辺形の
東北、西南の両隅を正三角形に切り落とした形であった。外壁全面がハーフミラーガラス張りになった開放的な雰囲気の展示館で、外壁に「PANAMA」の大きな標識文字が掲げられ、建物全体が展示場になっていた。
建物は一辺 7メートル20 の正三角形を基本設計にし、H 型鉄骨材で組み立てられ、鉄骨材部分は全部ブルーのペイント仕上げになっていた。内部は、中央に四つのショーケースが置かれたほか、照明パネルやスライド映写装置などが備えてあった。また切手やメダルなどの販売店を兼ねた案内カウンターが設けられていた。
出入口は 1 カ所で、観覧順路は指定せず、観客が自由に巡覧するようになっていた。
パナマ運河で知られているこの国の産業、各種の資源、工芸品などが写真パネルや展示物、映像で紹介された。
まず、入口近くの壁面に幅 1メートル、高さ 2メートル50 の、照明のあてられたパネル 7 枚が並べられ、コーヒー、バナナ、砂糖を中心とする農産物、石油やマンガンなどの鉱物資源、豊富な木材資源と水産資源、経済事情その他の国情全般が紹介された。この中で紹介されたコロン市のフリー・ゾーン(自由地帯)は、税金免除の特
典がある商業地域で、ラテンアメリカで最も商業活動の活発な貿易の中心地である。
展示場の中央に置かれた四つのショーケースには、パナマの特色を示す展示物が納められていた。第 1 の
ショーケースはコイン展示で、パナマで流通している 17 種類のコインや、3,000 年前のインディアンの墓
から出土したというコンドルを型どった純金製の珍しいコインなどを展示していた。
第 2 のショーケースでは、貝ガラと石を組み合わせたネックレスや骨片の腕輪などの装身具が紹介され、ま
た第 3 のショーケースでは切手や宝くじ類が、第 4 のショーケースでは人形、楽器、銅鉱石のサンプルが、
それぞれ紹介された。
最後のパナマ運河紹介のコーナーは、高さ 3メートル50、幅 6メートル10 の半円形大パネルで構成されていた。バックには左から右へ、日本とアジア大陸、アメリカ大陸、ヨーロッパ大陸、アフリカ大陸が描かれ、中央の下部
には運河を強調したパナマの地図が置かれ、世界貿易にパナマ運河が果たしている役割や頁献度が、電光点
滅装置やグラフで説明された。
このほか、都市や住宅などパナマの様々な光景がスライドで映写された。また、パナマの地図の両側に
置かれた男女 2 体ずつの人形で民族衣装が披露された。