万博記念公園

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住友童話館

参加者

住友館委員会

テーマ

美と愛と希望の泉

建物

 展示のための空間と、いこいのための空間に大別された。展示空間は空中に浮かんだ 9 個の球体群、いこいの空間は地上にある庭園と池を主体とした地域であった。
 空中部門は空飛ぶ円盤群を連想させ、童話館にふさわしい詩情あふれる建物であった。いずれも小さな三角形の鋼材を網状多面体に組み立てた球体ドーム構造で、縦横に組み上げられた鉄骨の立体架橋の聞に設置された。9個の球体ドームのうち 6 個は展示室に、残りは観客集散のためのステーション、VIP 用、一般用各休憩室に使われた。
 地上部門には 2 階建て、扇形のパピプッペ劇場、球体群の真下に自由庭園、扇形階段式の池があって、観客のいこいの場所でもあった。

 

住友童話館

展示

めまぐるしい機械文明の波におされ、ややもすれば忘れがちな夢―童話の精神を人間自身の手にとり戻そうと「子供に希望を、おとなに童心を」をモットーにしていた。展示の前半では東西の名作人気童話約50 話がとりあげられ、「千里丘おとぎ団地」「東西名作ひろば」「竜宮城」でそれぞれ独特のメルヘンの世界が個性的に再現された。

また後半では、古典童話が現代感覚と最新の技術とで立体構成され、未来の夢を科学的に解明しようという意図のもとに「地球村の出来事」「童話のプラネタリウム」「コンピューターの天眼鏡」に分けて表現された。
「千里丘おとぎ団地」は、色とりどりの箱や球体 38 個が積木細工のように並び、のぞき窓から中を見る仕組みで、ボックスの群れが団地を思わせた。その中には、童話の名場面が立体的に展開され、童話の百科事典ともいえる趣向だった。
「東西名作ひろば」ではシンデレラ、かぐや姫、さるかに合戦、不思議の国のアリスの四つの童話が、照明、電動などの技術を使って展示された。「竜宮城」は球全体が海底に見立てられ、浦島太郎の竜宮城が再現された。
「地球村の出来事」は、球体スクリーンを使った新作アニメーションで、物語は日本の古代神話「海幸彦山幸彦」からヒントを得てつくられた。スクリーンにはアポロ11 号がとった地球写真が使用されていた。
「童話のプラネタリウム」は、暗い球の中はすべてドーム面で、光り、イラストの変化によって昔から伝わる名作童話を、超現代感覚で再現していた。
「コンピューターの天眼鏡」は、最新の情報処理システムによって、人間の顔からその性格を判断しようというもので、興味あるショーであっただけでなく、世界の先端をゆく技術的な試みでもあった。
展示のフィナーレを飾ったのは「童心曼陀羅」(どうしんまんだら)。これは子どもたちが共同制作した絵を、全国 1 万人の母親が刺繍壁面にしたものであった。
(この館のプロデューサーは小谷正一であった)

「東西名作ひろば」

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