国連館
国際連合
アジア開発銀行
協力による開発
地上に、緩やか勾配の“円形ピラミッド”、そこに 526 本の鋼管ポールが弧を描くように林立するユニークな展示館であった。ポールは国連を形成する世界の人類、民族、国家を象徴し、円形部分の屋根「平和の広場」を取り囲んでいた。ポールは国連色の青色で、夜は先端の照明が美しかった。ポールの根元には世界平和のために倒れた人々の名を刻んだ記念碑があり、またその外周には国連加盟国、専門機関加盟国の国旗と、専門機関およびアジア開発銀行の紋章が並んでいた。
地下 1 階建て、鉄骨造の建物は、円形の展示棟と長方形の管理棟からなっていた。展示棟は半径 20メートルで、内側に展示場、外側に入口、電気室などがあった。管理棟は展示棟の円形に接して造られ光りの庭、小劇場、売店、郵便局、事務室などが配置されていた。
また管理棟の地上部分には、里帰りした「平和の鐘」をつり下げた総ヒノキ造りの鐘楼が設けられていた。
「国連の役割り」「国連と平和」「今日の世界」「あすの世界」「国連の世界」「世界の開発」「開発のための水」 「われわれは何を選ぶか」に大別されていた。「国連の役割り」のコーナーでは、国連憲章の模写が特別展示され、「国連と平和」のコーナーでは、第 2 次世界大戦直後の悲惨な様相、安全保障理事会の模様などの紹介、国連旗や難民高等弁務官事務所とユニセフが受けたノーベル平和賞の賞状などの展示が行なわれた。
「今日の世界」のコーナーは、特殊装置の“呼吸する地球儀”やスライド映写などによる“富める国 3 分の 1、富まざる国 3 分の 2”の展示。次の「あすの世界」のコーナーでは、音と光りと 8ミリフィルムで人口過密と飢餓を描き、世界の人口を記録する“人口計”も出ていた。
「国連の世界」のコーナーでは、飢餓、疾病、無知との戦い、原子力の平和利用などがパネルその他で説明され、「世界の開発」のコーナーでは、国連の開発計画が地図などで、雇用増大計画がパネルと映画で、それぞれ説明された。「開発のための水」のコーナーでは、メコン川の開発計画を取り上げ、最後に、世界の軍事支出と開発投資の比較などの図表を示した「われわれは何を選ぶか」があった。