ソ連館
展示棟とレストラン棟の2つの建物によって構成され、鋭く突き出した塔状の先端から 曲線の屋根がすそをひいた形で、外壁面が鮮明な赤と白で彩られました。 展示棟は長さ130メートル、最大幅70メートルの半月形の平面をもつ地下3階、地上3階の建物で、 内部には柱がなく、2箇所の吹き抜けが設けられた。最高部は109メートル50センチ、容積約20万立方メートルでした。 外壁はすべてプレハブ化された鉄板製パネルで造られ、屋根と背面壁の構造は変形四角すいの集合体で、白に仕上げられ、正面壁は厳密に計算された変形鉄板90数枚からなる半円筒面で、縦と斜めにひだを作り、赤く塗られていました。鉄板製パネルの取付けには、クレーンを使ったはめ込み工法が採用され、モスクワ市建築計画総局と日本建築技術の共同作業により寸分の狂いもなく完成しました。 外殻の塔のようになった最高部には、高さ5メートル50センチのカマとハンマーのソ連の国章が飾られ、日光にキラキラ輝き、遠くからも認められました。塔状の部分の内部は、天井まで80メートルの吹抜けになっており、空間が宇宙ゾーンとなって、見る人を圧倒しました。もう一つの吹抜けは中央の入口近くにあり、半径11メートル75センチの円筒形で、天井まで20数メートル、その下にはモニュメントが建てられ、池が設けられていました。 この館は1階の一部が政府代表室、受付などにあてられたほかは3階まですべて展示場に あてられていました。また、地下は3階部分と1階部分に分けられ、3階の部分は800席のコンサート・ホール、450席の映画劇場、楽屋に、地下1階の部分は、事務室、機械室、電気室、倉庫などにあてられました。 レストラン棟は展示棟の裏側にあり、長さ65メートル、幅15メートルの地上2階、地下1階の建物で、展示棟とは地下で連絡していました。
1970年4月22日は、ソ連の指導者V.I.レーニンの生誕100周年記念日にあたったため、第1会場を「世界最初の社会主義国家の誕生」にあて、レーニンの生涯と活動の紹介をしたほか、文化・芸術や宇宙展示を中心にした科学技術展示などを展開しました。