ベネズエラ館
ベネズエラ共和国
未来を見つめるベネズエラ
一辺7メートル20の正三角形六つからなる正六角形の展示館で、東寄りの正三角形四つを合わせたスペースが展示場に使用され、西側の二つ分のスペースは鉄鋼材の架構だけになっていた。つまり展示場は左右逆の「く」の字の形であった。西北端に出入口があり、内部は中央に売店を兼ねた案内カウンターがあった。このカウンターを中心に展示用のジャバラ状のついたてパネルが並べてあった。
天井はグラスファイバー、床はコンクリートの上を樹脂ペイント仕上げ、外壁に「ベネズエラ」の大きな展示館標識文字を掲げてあった。
観客は指定順路に沿って右回りに観覧するようになっていた。
「発展と建設」「都市計画・交通」「工業」「農業」「製鉄」「水資源開発」「民芸品」のコーナーに分かれ、ベネズエラの産業、文化、社会全般が紹介された。
特に石油産業を原動力にして“ロバ時代”から一挙に“航空機時代”に飛躍したベネズエラの発展ぶりを印象づけていた。
入口を入ると、地図パネルでベネズエラの地勢が説明され、続く「発展と建設」の展示では、ブラジルに接するガイアナ地方を中心に進められている政府の経済開発計画と、その実施状況が紹介され、開発計画で完成した鉄鋼工場やアルミ工場が写真パネルで展示された。
次の「都市計画・交通」の展示では、近代的な主要都市の写真を掲げるとともに、地下鉄をはじめ近代都市づくりに取り組んでいるベネズエラの姿を、スライドスクリーンで紹介していた。その向かい側には案内カウンターと、絵はがきや切手などを売っている売店があった。それに続いて海岸風景や闘牛のカラー写真パネルが並び、労働者の技術訓練などを説明したパネルも出ていた。
「工業」の展示では、石油化学をはじめ、金属、繊維、食品、自動車組立、家具、タイヤ、紙、パルプ、建材などの工場の写真が掲げられ、成長するベネズエラの工業が説明されたが、輸出の大半を石油で占めている国だけあって、石油関係の展示が圧倒的に多く、マラカイボ湖周辺とオリノコ川沿岸一帯に広がる大油田地帯の光景や、湖底の油田から吹き上げる原油のすさまじい光景がカラー写真で紹介された。
「農業」「製鉄」の展示に続く「水資源開発」の展示では、600万キロワットの出力を持つ大規模な水力発電所が写真などで説明され、飛躍する産業の姿を印象づけていた。最後の「民芸品」の展示場では、インディアンの正装用衣装、アクセサリー、生活用具、楽器など興味の深い展示物が並んでいた。