セミの羽化を観察しよう
セミたちは長い間、土の中で幼虫として生きています。そして、夏になると成長したものから順々に地上にでてきて羽化を始め、成虫になっていきます。
しかし、このときがセミにとって一番敵におそわれる危険性が高いため、夜にひっそりと行わるれのがふつうです。
そのためセミが羽化をしている姿を見たことがないという人は多いのではないでしょうか?
でも、公園などでセミの抜け殻がたくさんついているのを見かけるとおもいます。
案外、セミたちは私たちの身近な所で羽化をしています。注意深く見れば、たいてい羽化をする場面にめぐり会うことは出来ると思います。
今年は、じっくりセミたちの神秘的な羽化の姿を観察してみてはいかがでしょうか?
幼虫たちは、夕方から夜にかけて、穴から出てきてあたりを歩き回りながら安全な場所を探します。このピークが夕方の6時頃から9時頃だといわれています。
一番良いのはまだ暗くなっていない時間に歩き回っている幼虫を探して、羽化をするまでその個体を観察することです。
セミの幼虫は木の根っこに口をつけて汁をすって生きています。だから木のないところにはいません。一番よいのは、公園や神社など木のおおい場所で観察することです。
また、おなじ木の根っこにたくさんのセミの幼虫がいることがおおいので、まわりの地面にたくさんのセミの幼虫の出た穴があれば、みられる確率が高くなります。
・上ばかり見ずに地面も慎重に見てください。(歩いている幼虫を踏んづけてしまうことがあります。)
・蚊がたくさんいますので、長袖を着て観察しましょう。
・羽化している幼虫をさわらないようにしましょう。(はねがうまく広がらなくなってしまいます。)
・子どもたちだけでは、観察しないようにしましょう。
・フラッシュをたいて写真撮影しても問題はありません。
幼虫はあちこち歩きながら、羽化をする場所を選びます。
場所が決まるとしばらくじっとしています。
背中の中央にたての裂け目が出来て、そこから成虫の背中や頭が出てきます。
前足を出し、反り返りながら後ろ足を出します。
このとき、おなかの端の部分のみで体を支えています。
まだ、新しい足がしっかりしていないため10分ぐらいこのままの姿勢で過ごします。
足がしっかりしてくると腹に力を入れて起き直り、残ったおなかの部分を殻から抜き出します。
抜け出るとはねが少しずつのびて10分ほどで広がります。
しかし、この時点では、はねの模様はまだはっきりしていません。
このまま朝までじっとして、明るくなると飛んでいきます。