ススキの下をのぞいてみよう!
万葉の里のススキの株元をのぞいてみると小さなパイプのような植物が見られます。
これはナンバンギセルといって、南蛮渡米の煙管(キセル)にそっくりであることから付けられました。
ナンバンギセルは植物でありながら葉緑素を持たないため、自分で栄養分を作ることできません。
そこでススキの根に寄生し、ススキから栄養分をもらって生きています。ですから、ススキが生えていない所には生えることができません。(ミョウガやサトウキビの根に寄生することはあります。)
万葉集には、「道の辺の尾花が下の思い草今さらなに物か思はむ」という詩が詠まれています。
(「尾花」とは今のススキ、「思い草」とはナンバンギセルのことです。)このことは、当時からナンバンギセルの生態が知られていたことを示しています。あらためて昔の人の観察力のすごさにびっくりさせられます。
秋には蒴果をつけ、中には十数万個にも及ぶ種子が入っています。
種子は1個の重さが、0.0007mgでホコリのような軽さです。だから風にとんでいき偶然ススキやミョウガに出会えたものだけが、生き残れるのです。