SDGs 万博記念公園の取組み
日本万国博覧会記念公園は、1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)の広大な跡地に、太陽の塔をはじめとする数々の遺産(レガシー)を継承しつつ、「緑に包まれた文化公園」として整備が進められ、都市の中に広大な敷地を有する公園として、多くの利用者に愛されながら発展してきました。
これからも都会のオアシスとして豊かな自然環境を維持し、美しい地球環境の保全を図るとともに、サステナビリティに配慮した誠実で責任ある公園の管理運営を行うことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
自然×運動による健康維持
花や生き物など自然とふれあう場や機会の提供、花壇植え替えや清掃のボランティア活動を通じての社会貢献、INWA・JNFA公認のノルディックウォーキングコースで健康維持の推進を図ります。
「コミュニティガーデナー講座」を通年で開講し、花壇作りやバラの剪定などの技術を学びながら実際に実践する場を提供しています。コミュニケーションを図りながら、太陽の下で継続的に土や草花に触れることにより、健康維持の推進へと繋げています。
「万博公園ノルディックウォーキングコース」は、国際ノルディックウォーキング連盟(INWA)および特定非営利活動法人日本ノルディックフィットネス協会(JNFA)が公認するコースとして、2012年1月にアジアで初めて認定されました。園内各所に案内看板が設置され、森の小道、四季折々の草花などを巡りながら季節ごとの風景を楽しむことができます。
“ほんもの”に触れる
太陽の塔をはじめ、園内のアート作品や周辺文化施設との連携イベントなど本物の芸術や多用な文化に触れる機会を創出します。
公園の象徴である「太陽の塔」の他にも、園内各所に芸術作品があります。イサム・ノグチ作の「月の世界」、夢の池の噴水群は、大阪万博開催当時に「宇宙空間の夢」と題して造られ、現在は水は出ませんが、当時の塗装色に復元され、オブジェとして残されています。
「現代美術の森」は、日本万国博覧会開催35周年を記念して2005年に自然文化園内にオープンしました。森の中にある池や樹林と調和した美術作品13点が展示されています。
循環型エネルギーの利用
間伐材を燃料として園内カフェのピザ窯での再利用、地下水から供給される池の水を川などの園内水路に循環利用、また太陽光発電パネルによって作り出した電力を一部の園内街路灯に利用するなど、循環可能なエネルギーを作り出しています。
公園内の薪窯ピッツァ・カフェ NORTH GARDENでは、園内の間伐材や伐木を乾燥させて作られた薪を使用してピザを焼成、お客様へ提供しています。
環境に配慮した公園、地球にやさしい公園を目指して、クリーンな太陽光エネルギーを利用するために、最大電力200kwの太陽光発電設備を自然文化園南西斜面に設置して省エネルギーを行っています。
発電された電力は自然文化園で消費しており、電力会社からの電力今供給量を削減することを通じて地球温暖化防止に貢献しています。
防災拠点としての役割
地震で大火が起こった時など、いざという時に命を守るための「広域避難場所」に指定されています。また、災害時には自衛隊などが活動する防災拠点としての機能も担っています。
万博記念公園の敷地内には、大阪府北部広域拠点の備蓄倉庫が設備され、被災した府民のための非常用食料や毛布等を保管しています。
また、災害時には隣接する万博記念競技場を「物資集積エリア」、運動場を「臨時ヘリポート」として活用します。
森の循環と再生
園内の間伐材や伐採木から作成したチップや堆肥を利用して木々や草花を育成するとともに、森林の育成を50年かけて実現しました。
園内で発生した剪定枝や伐採木、咲き終わった花壇の草花などは公園の敷地内で粉砕してチップ化し、更に熟成させて堆肥化しています。それらを再び木々の根元や花壇の土の中に混ぜ込むことで樹木や草花を育てたり、園路に敷き詰めて舗装材として活用するなど、循環するみどり豊かな公園を作り出しています。
また、博覧会終了後、林立していたパビリオンを撤去した更地に植樹した樹木を育成し、現在の万博の森ができています。
平和について考える
1970年大阪万博当時、国連本部にある「平和の鐘」が国連館パビリオンで展示されていました。現在もその姉妹鐘が当時の鐘楼と共にあり、平和を考える機会を創出しています。
ニューヨークの国連本部にある「平和の鐘」は、1954年(昭和29年)に当時の財閥法人日本国際連合協会記事であった中川千代治氏(元愛媛県宇和島市長)が、世界平和の願いを込めて、日本をはじめ世界60数カ国の人々から集めたコインなどから、「世界絶対平和萬歳」と刻印した鐘を鋳造し、国連本部に寄贈されました。
現在、万博記念公園にある「平和の鐘」は、大阪万博会期中に国連本部の留守番鐘(レプリカ)として、中川千代治氏が再び世界133カ国の人々から集めたコインなどから鋳造された姉妹鐘で、大阪万博終了後に、万博記念公園へ寄贈されたものです。